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説得の心理学・両面提示

 効果的な説得メッセージの内容構成や提示方法とはいったいどんなものなのでしょうか。効果的な説得の手法の1つとして、両面提示と一面(片面)提示というものがあります。両面提示とは、反対論などネガティブな部分も提示する方法で、例えばテレビショッピングにおいてデジカメの説明をするときに、「値段はちょっと高いけど、画質が良くてコンパクト。そのうえ手ぶれに強い」と説明することです。一面提示とは、自分に都合がいいようにポジティブな部分だけを提示する方法で、「画質が良くてコンパクト。さらに手ぶれに強い」と説明することです。この2つの提示方法を研究したボブランドらによると、問題に対するもともとの態度が説得方向と同じ者には一面提示が、反対のものには両面提示のほうがそれぞれ効果的であり、また教育水準の高い者には両面提示が、低いものには一面提示が効果的であるとしています。その理由としては、両面提示は反対論をも含んでいるので、説得が押しつけがましくなくなるからです。教育水準の高い人は「そんな上手い話があるもんか」と、まず疑ってかかります。そこに否定的な面も一緒に提示すると、「なるほどぉ。ただおいしいだけってわけではないのか」ってなるわけです。

 この両面提示を行ううえで重要なことは、ネガティブな情報を先に提示したあと、ポジティブな情報を提示することです。最後にネガティブな情報を持ってくると、ネガティブな印象だけが残ってしまうからです。これは一般的に終末効果によって説明されます。

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