心理学入門講座ホーム臨床心理士資格試験臨床心理士について臨床心理士の収入について日本臨床心理士会:「臨床心理士の動向および意識調査」について

【収入】

 

2017年度 第7回調査

2011年度 第6回調査

2007年度 第5回調査

 

 

累積%

累積%

累積%

100万円未満

5.7%

5.7%

5.0%

5.0%

4.0%

4.0%

100200万円

8.8%

14.5%

9.4%

14.4%

8.5%

12.5%

200300万円

16.5%

31.0%

16.4%

30.8%

17.0%

29.5%

300400万円

19.0%

50.0%

20.0%

50.8%

19.8%

49.3%

400500万円

15.5%

65.5%

14.9%

65.7%

14.1%

63.4%

500600万円

9.3%

74.8%

8.7%

74.4%

8.0%

71.4%

600700万円

5.8%

80.6%

5.4%

79.8%

5.6%

77.0%

700800万円

4.1%

84.7%

4.4%

84.2%

4.8%

81.8%

800900万円

2.6%

87.3%

2.5%

86.7%

3.7%

85.5%

9001000万円

1.8%

89.1%

1.9%

88.6%

2.5%

88.0%

1000万円以上

3.3%

92.4%

3.4%

92.0%

5.2%

93.2%

(無回答)

(7.6%)

(100%)

(7.9%)

(100%)

(6.8%)

(100%)

2007年度と2017年度を比べると、100万未満が1.7%↑、400500万が1.4%↑、500600万が1.3%↑と微増となっています。また、700〜800万が0.7%↓、800〜900万が0.9%↓、900〜1000万が0.7%↓、1000万以上が1.9%↓と、700万以上の層が軒並み微減しています。

20歳代の回収率が大幅に低下したため(下記参照)、残念ながら正確な状況を反映していないと思われます。累積%を見ると400万以下で50.0%とちょうど半数になっていますが、20歳代の回答率の低さを考えると実態は400万以下は60%かそれ以上ではないかと推測されます。 

700万以上の高所得層が減った背景は不確かですが、回答者の60歳代・70歳代の割合が増えていることを考えると、定年退職をして収入が変化した方が回答者に多かったのかもしれません。

<回答者属性>

【性別】

 

2017年度 第7回調査

2011年度 第6回調査

2007年度 第5回調査

男性

22.2%

23.1%

24.9%

女性

77.7%

76.8%

75.1%

無回答

0.1%

0.1%

0.1%

【年齢】

 

2017年度 第7回調査

2011年度 第6回調査

2007年度 第5回調査

20歳代

7.7%

10.2

16.7

30歳代

34.7%

40.0

39.8

40歳代

26.8%

22.2

20.5

50歳代

17.9%

16.6

15.2

60歳代

9.9%

8.3

6.0

70歳代以上

2.7%

2.4

1.7

無回答

0.2%

0.3

0.1

 新規資格取得者の多くは20歳代と思われますが、日本士会に所属しない方が増えているため、20歳代の割合が減っているのだと思われます。

【以下、古い情報のみになります】

臨床心理士取得年

 

回答者の取得年

当該年度資格試験
合格者数

取得年別回収率(推定値)

 

取得年別回収率(推定値)

 

2011年度第6回調査

 

(全体回収率58.3%

2007年度第5回調査

(全体回収率69.3%

1988

118

 

 

 

 

1989

591

1595

37.1

 

 

1990

259

683

37.9

 

 

1991

280

731

38.3

 

 

1992

132

477

27.7

 

 

1993

93

299

31.1

 

 

1994

88

231

38.1

 

 

1995

160

345

46.4

 

 

1996

269

676

39.8

 

 

1997

191

433

44.1(CP15年目)

 

 

1998

214

411

52.1(CP14年目)

 

 

1999

249

503

49.5(CP13年目)

 

 

2000

412

701

58.8(CP12年目)

 

 

2001

414

827

50.1(CP11年目)

 

 

2002

439

887

49.5(CP10年目)

 

 

2003

634

1284

49.4(CP9年目)

 

 

2004

752

1450

51.9(CP8年目)

 

 

2005

927

1720

53.9(CP7年目)

1114

64.8(CP3年目)

2006

1011

1844

54.8(CP6年目)

1241

67.3(CP2年目)

2007

812

1635

49.7(CP5年目)

970

59.3(CP1年目)

2008

645

1519

42.5(CP4年目)

 

2009

591

1579

37.4(CP3年目)

2010

399

1577

25.3(CP2年目)

2011

249

1598

15.6(CP1年目)


CP
515年の層の回収率が50%前後であるのに対し、5年未満の層の回収率が大幅に低くなっていることが明確です。 2007年度調査においては全てのローデータが公表されていませんが、CP13年目の若手のデータを比較していただけるとその差は歴然としているかと思います。
※ 年長者の中には他界されている方や資格更新をしていない方なども含まれるため、母数が大きく異なる可能性があります。

 


回答者の75.1%が女性と、この業界は女性が多い領域です。さらに回答者の39.8%30代と最も多い年齢層であるため、上述のように出産・子育て中の方が仕事を制限している可能性があります。私の身の回りにも多くいらっしゃいます。特に元々非常勤の掛け持ちだった場合は、産休制度がないため一度退職せざるを得ず、仕事復帰するときにもすぐに元の水準に戻れるわけではありませんので、週23日くらいから改めて始めることもあるかと思います。全体として見てしまうと臨床心理士の平均収入は低くなりますが、このような事情で仕事を制限している人がこの調査のデータにどの程度含まれるか不明なため、実情は不明確です。例えば、子育てで週5日は働けないけど週2SCをやっている、という方がいたとします。関東近県のSCの給与水準で考えると、年収は280万程度になります。一方、週5日常勤で働いても280万いくかどうかの領域もあるのも事実です。

ちなみに、2007年の民間給与実態統計調査によると全給与所得者に占める年収300万円以下の人の割合は38.6%です。臨床心理士の場合は、29.5%です。

臨床心理士の年収が低いというのは、半分ホントで半分ウソです。領域や働き方によって差が大きく出ます。今や弁護士ですら就職難だったり、歯科医師ですら低収入の方がいるという噂がある時代ですから、結局はその人次第ということです。私自身は修士終了1年目こそ300万を下回っていましたが、2年目以降は順調に年収を上げていき、4年目くらいで同年代のサラリーマン平均年収くらいまではもってきています。6年目時点で働き方次第では、一般平均年収+100万くらいまでは伸ばすこともできますが、生活全体のバランスと長期的な視点で見て収入アップよりも経験をきちんと消化できるような時間を取れる働き方を選んでいます。非常勤かけもちには不安定というデメリットはありますが、このように自分で働き方を選択できる幅が広いというメリットもあります。

また、同調査において74.9%の方が仕事の内容に「満足・やや満足」をしていると回答し、73.1%の方が周囲からの評価に「満足・やや満足」をしているという結果もこの調査によって示されており、臨床心理士という職業の充実度の高さが伺えます。

【参考】「第5回臨床心理士の動向および意識調査」と「民間給与実態統計調査」の比較

 

臨床心理士

民間給与実態統計調査

(調査対象となっている母集団の男女比などが異なるのであくまでも参考としての比較になりますが、)民間給与実態統計調査、つまり一般平均と比較する限り、臨床心理士の収入が低いというのは一概には言えないでしょう。

100万円以下

4.0%

8.1%

100200万円

8.5%

14.7%

200300万円

17.0%

15.8%

300400万円

19.8%

16.7%

400500万円

14.1%

13.9%

500600万円

8.0%

9.7%

600700万円

5.6%

6.5%

700800万円

4.8%

4.5%

800900万円

3.7%

3.0%

9001000万円

2.5%

2.0%

1000万円超

5.2%

5.0%

 

Home

 

inserted by FC2 system