心理学に対する一般的イメージ

"What Is Psychology?"のところにも書きましたが、大学で心理学を専攻してると言うと、「え?じゃぁ、人の心が読めちゃうんだぁ」と本気で言われますが、そんなことができるわけがありません
ましてや、学生にそんなことができるわけありません。そんなことができるようになったら、この世がどうなることやら・・・、って感じです。
だってそうでしょう?考えてることがすべて筒抜けになったら怖いでしょう?「サトラレ」の世界ですよ、そんなの。
そんな芸当が大学で心理学を学んだくらいでできてしまうのであれば、みんな心理学科に入学することでしょう。
それと、「カウンセリング勉強しています」って言うと、「じゃぁ、心が病んだら見てもらおう」などと言われますが(冗談で言ってるのは分かるんですが)、やっぱり医者同様、身内や友人のカウンセリングをすることはとても危険なことだと思います。家族や友人の相談を受けていると、特に好意(恋愛感情に限らず)を持っている相手に対しては情が入ってしまい、感情的に巻き込まれるのが普通です。それと、「心理学をやっているから、きっといい答えを見つけてくれる」と思って相談されるのもちょっと困りものです。他の人よりも「こころ」について考えること多いのは確かですが、現実的な対処能力が他のひとよりも優れているとは思いません。しかも、ただの学生で。心理学を学んでると言っても、ただの普通の人です。心理学を学びたいという動機のうちで「自分のことをもっと見つめたい」とか「人付き合いがうまくない」とかいった動機から始める人もいるので、人間関係を築くのがうまくない人も少なからず(けっこう?)いると思います。また、「なんか心が見透かされそうで怖いなぁ」とかも言われますが、普段の人間関係で心理学的なことをあまり意識していないんじゃないかと思います(少なくとも私は心理学を通した目で友達や家族を見ていません)。そんなの面倒くさいし、つまらないです。まぁ、中にはそういう人もいるかもしれませんけどね。あまり、心理学をやってるからどうとか、そういう目で見てほしくないですね。ただし、心理学をやっている人って、かなり変わり者が多いです(いい意味でも悪い意味でも)。だから、心理学やってるって人がいたら、「こいつはちょっと変わりダネなんだな」と思ってください。それは、かなり当てはまりますよ。


 では、大学で心理学を学ぶとはどういうことかっていうと・・・、結局何も学べません。
まぁ、何も学べないというと「じゃぁ、何のために大学行ってるのか」ってことになってしまいますが、 ほんとに基礎の基礎しか学べません。
本格的に勉強するとしたら大学院に入らないとできないと言ってもいいでしょう。いや、大学院でも基礎くらいかもしれません。
大学は人生経験を積む場と考えていたほうが良いと思います。大学で何かを学べると思ったら大間違いだと思います。
まぁ、これは私の個人的な意見ですけど、大学は学問に興味を持つきっかけを与えてくれるところで、あとは独学で勉強するといったところだと思います。
他の学部・学科、さらには他の大学がどうかは知りませんが、少なくとも私のいた学科はそうです。
単位取得に必要なこと以外はほとんどやらずに、適当に卒業することはできますが、それでは心理学を学んだと言うことはできないと思います。
自分でいろいろな本を読み、いろいろな経験をして、いろいろなことに対して考える時間を割いて、自分なりに理解してやっと「心理学をかじった」と言えるぐらいだと思います。 それと、心理学というとちょっと楽しそうな学問といったイメージがあるようですが、実情はかなり地味です。
データを整理するためには、かなり面倒くさい統計の知識も必要ですし、心理学はさまざまな分野とリンクしている部分が多いので、心理学以外の知識も必要になってきますし、歴史的な背景も知っておく必要があるでしょう。
大学の一般教養の授業では、心理学科以外の生徒にも親しみを持ちやすいような内容になっていることが多いようです(先生によっては、かなり高度なことを教えている人もいますが・・・)。ミーハーな気持ちで入学した人は、不適応を起こします。
また相変わらずテレビ番組で、4択で選ばせ回答者の心理を探るといった「心理テスト」と呼ばれているものをやって、人気コーナーになっていたりしますが、そういったイメージが心理学という学問に対する見方に、バイアスをかけているのでしょう。このテレビで言っている「心理テスト」というのも私としては、偏見を持たせる原因になっていると思うのでやめてほしいです。心理テストというのは、一応学術的に洗練されたものであり、使いこなすまでにそれなりの訓練が必要なものです。テレビでやっているのは、「心理ゲーム」と呼ばれるべきものであり、もっともらしい理由をつけただけのほとんど根拠のないものか、もしくは心理テストをかなり簡略化させて無理して4択化したものがほとんどだろうと思います。とあるアミューズメントパークで、「ユング心理学の理論を用いた相性占い」なるものがあり、どんなもんだろうとやってみましたが、どこにユング理論を使っているのかさっぱり分からず、ただ単に相手と同じ質問を順番を変えて提示し、その一致率を見るという程度のものでした。

  さて、長々とまとまりのない話を書いてきましたが、何が言いたいかって言うと、みなさんが思っている「心理学」のイメージと大学・大学院で学ぶ実際の「心理学という学問」との間にはかなりのギャップがある、ということです。
 このサイトは心理学の入門サイトとしてみなさんに心理学に親しんでもらおうと、できるだけ難しい話を避けていきたいと思いますので、このサイトで心理学を網羅していると思わないでください。ハッキリ言って、私自身が心理学という学問がどこまで広がっているのかわかりません。
 みなさんがこのサイトを見ることによって、心理学は奥深いものであり、もっと奥まで見てみたいという好奇心がかきたてられたら幸いです。 

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